口腔がんについて③
口腔がんが残念ながら見つかってしまった場合、基本的には
外科的手術になります。
がんの範囲が小さければ小さいほど手術範囲は狭くなり
1週間ほどで退院できる場合もあります。
しかし、見た目は小さくても組織に深く浸潤しているタイプは
大きな手術になりますし、見た目は大きくても外へ外へ大きく
なるタイプは、非常に治りやすいのです。
口腔がんは放置していると、顎の骨にも浸潤していきます。
そうなれば顎の骨ごと手術で除去する必要があり、術後も
顔の変形は免れません。
さらに進行すると顎のリンパ節(風邪をひいたときに腫れる所)に
転移することが多く、手術では首の手術(頸部郭清術)まで必要になってきます。
また、舌やあごの骨を大きく除去すると、舌や顎の代わりの物が必要になってきます。
舌の場合は前腕部の筋肉と血管を切り取り、舌に移植します。
顎の場合は腓骨(ひこつ 足の骨)を移植します。
いずれの手術も大変な手術で10時間前後かかります。
それでも顔の変形は避けられず、舌も思い通りに動かないので、発音や嚥下などが
できません。
本当に大変な術後が待っているのです。
前にも述べましたが、口腔がんは目で見えるものがほとんどです。
早期発見、早期治療ができればそれほど怖くありません。
他の癌に比べれば転移もしにくいのです。
ご自分の口の中に異常があればすぐに口腔外科を受診してください。