舌痛症
舌痛症って聞いたことがあるでしょうか?
この病名は非常に抽象的な病名で、痛みの原因もはっきりしません。
この病気で悩んでおられる方は非常に多く、特に最近多いように思います。
この病気の難しいところは、患者さんの訴える場所に医学的な異常がないことなのです。
異常がないのでもちろん治療法もありません。
他の内科的な病気で言うと自律神経失調症のような病気で、
口の中にさまざまな症状を引き起こします。
症状の例としては・・・
1. 舌がぴりぴりする(特に舌の先端)
2. 口の中が気持ち悪い、ヌルヌルする
3. 変な味がする
など、他にも色々な症状を引き起こします。
この中で一番多い訴えが舌のピリピリ感です。
先ほども言ったように舌のピリピリがあっても、医学的には全く異常はありません。
患者さん本人はすごくつらいのですが、異常がないので治療のやりようがないのです。
”舌”という器官は味覚を感じるために、非常に敏感です。
一度ピリピリ感を感じ始めると、すごく気になります。
歯科の先生でよく見かけるのは、
”口の中には全く異常はありません、あなたは少し神経質なので心療内科に
行ってください”と・・・。
そして患者さんは心療内科を受診し、抗不安薬などの薬を大量に処方されます。
一時的によくなることもありますが、患者さんは舌や精神のことをより意識するようになり、
かえって舌の症状は強くなります。
なぜかというと、舌痛症は決して精神疾患ではないからです(個人的な意見ですが・・。)
患者さんのほとんどは女性で(感覚的には95パーセント以上)、年齢は60~70代の人に
集中しています。
恐らく、女性ホルモンが関与しているだろうと考えています。
ホルモンの関係で体質が少し変化し、症状を誘発するのでは?と考えています。
気がつくと長くなってしまっています。
次回ももう少し舌痛症についてお話します。