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麻酔科時代④

心臓外科の大きな手術を終えてICUに入ってきた患者さん。

手術も無事終わり、ひと段落・・。

僕はと言えば、ちょうど引き継ぎの時間だったので緊張もとけ始めていました。

モニター(心電図などの機器)や点滴などの準備を終え、術後の抗生剤の点滴を
始めて間もなくのこと・・・。

突然のモニターの警告音!!
ICUのスタッフは警告音ぐらいでは通常はバタバタしないのですが、何か様子がおかしい。

”外科の先生呼んできて!!” 主任看護師が悲鳴のような声で叫ぶ。

モニターを見ると血圧はみるみる低下、80・・、60・・、ついに40台に。
患者さんの自発呼吸もはっきりしない・・。

心臓外科手術後には急に血管がつまったり、大出血を起こすことがあり、恐らく
どこかの血管に異常が起きたとのことで、外科の先生がとんできた!

”ここで開けるぞ!!” (何を開けるんやろ?、もはや戦力になってません・・)

するとみるみる手術の準備ができ、何とICUで緊急手術!!
(なんと胸を開ける事でした・・)

約1時間の手術で血管のチェックをしたのですが、血管に異常はない様子・・。
しかも患者さんは徐々に回復し、血圧も呼吸状態も安定。

後でわかったのですが、この患者さんは抗生剤にアレルギーを持っていたようです。
術前に必ずチェックはするのですが、はっきりしなかったようです。

病名は”抗生剤によるアナフィラキシーショック”。

アレルギーの一種ですが非常に怖いアレルギーで、亡くなる方もおられます。


麻酔科、ICUでは本当に貴重な経験をさせて頂きました。
ここでの経験がのちの病棟診療での自信になり、看護師さんと
対等に話ができるようになりました^^。

歯科治療中ににも気分が悪くなったり、軽いショック状態になる患者さんも時々おられます。

麻酔科での経験があってこそ、冷静に確実に対処できるようになったと思います^^。

by   at 14:21
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